東京都東久留米市にある自由学園のキャンパスは、帝国ホテルの設計で知られるフランク・ロイド・ライトの愛弟子遠藤新氏が手掛けています。正門をくぐり、ゆるやかなカーブの道を抜けると、芝生広場を中心に配された木造校舎が姿を現します。東京では稀少な美しい屋根瓦や木の柱の造形は、自然素材の持つ温かみを感じます。また、シンメトリーの柱組みや大きくカットされた石の壁の大胆な使い方はF.L.ライトを感じさせます。
このイベントのキャンパスめぐりでは、普段は見ることができない建物を見学するだけでなく、長年、自由学園の施設担当をされている宮井昭隆氏にご案内していただきます。知られざるエピソードも聞けそうですね。
さらに、自由学園一帯には緑の多い住宅街「学園町」が広がっています。見渡すと、ところどころにニョキニョキと巨木が。整然と配された街路樹とは異なり、ここでは、すくすくと大空へ向かって育った巨木が住宅の敷地内にでんと構えているのです。
「この町は、昔から緑の邪魔をしないように家を建てている」。学園町で建築事務所を営み、このイベントを企画したNPO「地域再創生プログラム」の藤岡大学氏から教えてもらいました。自然と共生する町、そしてF.L.ライトを彷彿させるデザイン住宅の数々。このゆたかな街並みの形成には、遠藤新氏のご子息、遠藤楽氏、遠藤陶氏、そしてその弟子筋の建築家が関わっているそうです(延べ20以上もの住宅)。参加される方は、ぜひ学園町の散策もお楽しみください。
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